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論文

Cavitation damage prediction in mercury target for pulsed spallation neutron source using Monte Carlo simulation

涌井 隆; 高岸 洋一*; 二川 正敏

Materials, 16(17), p.5830_1 - 5830_16, 2023/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Physical)

水銀ターゲット容器は、陽子ビームの入射に伴い、キャビテーション損傷を受けるため、キャビテーションバブルの位置や衝撃圧力分布の不確実さを考慮して、モンテカルロ・シミュレーションを用いたキャビテーション損傷を予測する手法を提案した。本手法では、個々のキャビテーション気泡の崩壊に起因する衝撃圧力の分布はガウス分布とし、衝撃圧力の最大値の確率密度分布は3種類の分布: デルタ関数、ガウス分布、ワイブル分布と仮定した。衝撃圧力の分布を記述する方程式の2つのパラメータについて、実験から得られたキャビテーション損傷の分布とシミュレーションから得られた累積塑性ひずみの分布を比較し、ベイズ最適化を使用して推定することができた。また、ワイブル分布を用いて得られた結果が、他の結果に比べて、実際のキャビテーションエロージョン現象を再現することが分かった。

論文

Effect of inner wall cracking on the cavitation bubble formation in the mercury spallation target at J-PARC

有吉 玄; 猿田 晃一; 粉川 広行; 二川 正敏; 前野 航希*; Li, Y.*; 筒井 喜平*

Proceedings of 20th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-20) (Internet), p.1407 - 1420, 2023/08

水銀を核破砕標的とするパルス中性子源では、陽子線励起圧力波による標的容器のキャビテーション損傷が問題視されている。このような損傷の抑制手法として、旋回流式気泡注入器で水銀中に微小He気泡を混合し、その圧縮性効果を用いる手法や、標的容器内側に流路壁を追加した二重壁流路構造を設ける手法が採用されている。本研究では、二重壁流路体系において内壁部に生じ得るキャビテーション由来の貫通損傷を標的容器外部から検出する異常診断技術の確立を目指す。本論文では、貫通損傷が生じた場合の水銀流れを有限要素法に基づく流動解析で明らかにし、流体励起・音響振動の観点から、損傷の影響を評価した結果を報告する。

論文

モンテカルロ・シミュレーションによる核破砕パルス中性子源水銀標的容器におけるキャビテーション損傷予測

涌井 隆; 高岸 洋一*; 二川 正敏; 田邉 誠*

実験力学, 23(2), p.168 - 174, 2023/06

核破砕中性子源の水銀ターゲット容器において、陽子ビームが水銀に入射することにより、容器内面にキャビテーション損傷が生じる。気泡核の位置や衝撃圧力分布のばらつきを考慮して、モンテカルロ・シミュレーションを用いたキャビテーション損傷の予測方法を提案した。実験より得られたキャビテーション損傷の分布とシミュレーションより得られた積算ひずみの分布を比較し、ベイズ最適化を用いた逆解析により、衝撃圧力の分布を評価した。ガウス分布を仮定した最大衝撃圧力の平均値及び広がりはそれぞれ3.1GPa及び1.2$$mu$$mであった。シミュレーション結果は実験結果を再現しており、本評価手法が有効であると言える。

報告書

水銀ターゲット容器内壁のキャビテーション損傷観察に関する技術資料,1; 遠隔操作対応試験片切出し装置の開発

直江 崇; 木下 秀孝; 涌井 隆; 粉川 広行; 羽賀 勝洋

JAEA-Technology 2022-018, 43 Pages, 2022/08

JAEA-Technology-2022-018.pdf:7.84MB

大強度陽子加速器研究施設(Japan Proton Accelerator Research Complex, J-PARC)の物質・生命科学実験施設に設置されている核破砕パルス中性子源水銀ターゲットでは、高エネルギー陽子線入射時に水銀中に発生する圧力波が引き起こすキャビテーションによって、ステンレス鋼製のターゲット容器内壁に激しい壊食損傷が生じる。陽子線強度の増加と共に攻撃性が高くなるキャビテーションが引き起こす壊食損傷によって、熱応力を低減するために厚さ3mmで設計されたターゲット容器先端部では、長時間の運転により壊食痕からの水銀漏洩や、壊食痕を起点とした疲労破壊などが生じる懸念がある。これまでに、高出力での長期的な安定運転を実現するために、キャビテーションによる壊食損傷を低減するための取り組みとして、容器内壁への表面改質の適用や、水銀中への微小気泡注入によりキャビテーションの発生源である圧力波の抑制、先端部の2重壁構造化を進めてきた。損傷低減化技術の効果を確認するために容器内壁に形成された損傷を観察する必要があるが、中性子源の運転中に内部を観察することは不可能であるため、運転を終えたターゲット容器の先端部から試験片を切出し、内壁の観察を実施している。ターゲット容器の破損による水銀の漏洩を防ぎつつ、運転出力によって変化する適切な容器の交換時期を検討するためには、運転出力と損傷の関係を明らかにすることが必要である。これまでに、高放射線環境で遠隔操作可能な試験片切出し装置を開発し、実機水銀ターゲット容器からの切出しを通じて、遠隔操作性や、より確実に試験片を切出すための切削条件の検討や切出し手法の改良を重ねてきた。本報では、実機ターゲットでの作業経験、及びモックアップ試験の結果に基づいて改良した遠隔操作による水銀ターゲット容器先端部からの試験片切出し手法に加えて、これまでに実機から試験片を切出した結果の概要についてまとめる。

論文

Effect of gas microbubble injection and narrow channel structure on cavitation damage in mercury target vessel

直江 崇; 木下 秀孝; 粉川 広行; 涌井 隆; 若井 栄一; 羽賀 勝洋; 高田 弘

Materials Science Forum, 1024, p.111 - 120, 2021/03

J-PARCの核破砕中性子源に設置されている水銀標的容器は、水銀中に生じる陽子線励起圧力波が引き起こすキャビテーションによって損傷を受ける。キャビテーションによる壊食損傷を低減する方策として、キャビテーションを誘発する圧力波を低減するための水銀中への微小気泡注入に加えて、ビーム窓先端に狭隘流路を有する2重壁構造容器を採用した。損傷低減化策の効果を確認するために、使用後の標的容器先端部を切断し、内部に形成された損傷を観察した。その結果、積算出力1812MWh(平均強度434kW)で微小気泡を注入して運転した2重壁構造容器で観測された損傷は、積算出力1048MWh(平均強度181kW)の気泡を注入しない従来型容器で観測された損傷と同等であった。さらに、狭隘流路に接する側では、気泡が注入された水銀に接する側より著しく損傷が少ないことを確認した。

論文

Mitigation of cavitation damage in J-PARC mercury target vessel

直江 崇; 木下 秀孝; 粉川 広行; 涌井 隆; 若井 栄一; 羽賀 勝洋; 高田 弘

JPS Conference Proceedings (Internet), 28, p.081004_1 - 081004_6, 2020/02

J-PARC核破砕中性子源の水銀ターゲット容器(SUS316L製)は、陽子線入射によって生じる水銀中の圧力波が引き起こすキャビテーションにより、ビームが入射する先端部厚さ3mmの壁が損傷する。キャビテーションによる損傷は、ビーム出力と共に増加するため、ターゲット容器の寿命を制限する因子となっている。J-PARCの目標である1MWにおける長期安定運転を実現するために、損傷低減化策として、圧力波抑制のための気泡注入に加えて、先端部に主流の4倍の流速を発生できる幅2mmの狭隘流路を有する先端部二重壁構造の容器を採用した。運転終了後に損傷低減化策の効果を確認するために、容器内壁を切り出して観察した。これまでの経験を踏まえ、確実に切出しを実施するためにコールド試験を通じて切出し条件を最適化して、2017年にターゲット2号機(損傷低減化策無し)、及び2018年に8号機(損傷低減化策有り)の切り出しを実施した。ワークショップでは、切出した試料の損傷観察結果を紹介すると共に、損傷低減化策の効果について報告する。

論文

Pulsed pressure induced cavitation erosion in mercury narrow channel under flowing conditions

直江 崇; 粉川 広行; 田中 伸厚*; 二川 正敏

Advanced Experimental Mechanics, 4, p.17 - 21, 2019/08

水銀ターゲットにおける圧力波励起キャビテーション損傷を抑制するために、水銀中への気泡注入とビームが入射する先端部の二重壁構造化の二つの損傷低減化技術を導入している。二重壁構造では、4m/s程度の高速流れと2mm程度の狭隘流路によるキャビテーション損傷の低減効果を期待している。キャビテーション損傷に対する二重壁構造の影響を定量的に評価するために、流速と狭隘壁の間隔を系統的に変化させて水銀中でキャビテーション損傷試験を実施した。その結果、表面粗さで評価した損傷は流速の増加によって低減することを明らかにした。一方、水銀流動条件下では流路間隔の影響はほとんど見られなかった。

論文

Evaluation growing and collapsing behaviors of cavitation bubbles under flowing condition

川村 駿介; 直江 崇; 池田 翼*; 田中 伸厚*; 二川 正敏

Advanced Experimental Mechanics, 4, p.33 - 37, 2019/08

J-PARCのパルス核破砕中性子源のステンレス鋼製の水銀ターゲット容器は、圧力波によって誘発されるキャビテーションによる損傷を受ける。キャビテーション損傷の低減化を期待して水銀の狭隘流路を有する二重壁構造の容器が採用された。狭隘流路によるキャビテーション損傷の低減効果は、実験的には確認されているもののそのメカニズムは明らかにされていない。本研究では狭隘流路におけるキャビテーション損傷低減効果を明らかにするための基礎研究として、流れ場における火花放電によるキャビテーション気泡の挙動を高速度ビデオカメラを用いて可視化した。さらに、キャビテーション気泡崩壊時の衝撃による壁面の振動を流速を変化させて測定した。流れがない場合は、気泡崩壊時のマイクロジェットは壁面に垂直に放出される、一方、流れ場ではその角度は斜めに変化する。その結果、壁面への衝撃力は流動によって低下することが分かった。

論文

Numerical study on the potential of cavitation damage in a lead-bismuth eutectic spallation target

Wan, T.; 直江 崇; 粉川 広行; 二川 正敏; 大林 寛生; 佐々 敏信

Materials, 12(4), p.681_1 - 681_15, 2019/02

 被引用回数:3 パーセンタイル:17.96(Chemistry, Physical)

To perform basic R&D for future Accelerator-driven Systems (ADSs), Japan Proton Accelerator Research Complex (J-PARC) will construct an ADS target test facility. A Lead-Bismuth Eutectic (LBE) spallation target will be installed in the target test facility and bombarded by pulsed proton beams (250 kW, 400 MeV, 25 Hz, and 0.5 ms pulse duration). To realize the LBE spallation target, cavitation damage due to pressure changes in the liquid metal should be determined preliminarily because such damage is considered very critical from the viewpoint of target safety and lifetime. In this study, cavitation damage due to pressure waves caused by pulsed proton beam injection and turbulent liquid metal flow, were studied numerically from the viewpoint of single cavitation bubble dynamics. Specifically, the threshold of cavitation and effects of flow speed fluctuation on cavitation bubble dynamics in an orifice structure, were investigated in the present work. The results show that the LBE spallation target will not undergo cavitation damage under normal nominal operation conditions, mainly because of the long pulse duration of the pulsed proton beam and the low liquid metal flow velocity. Nevertheless, the possibility of occurrence of cavitation damage, in the orifice structure under certain extreme transient LBE flow conditions cannot be neglected.

論文

Current status of the high intensity pulsed spallation neutron source at J-PARC

高田 弘

Plasma and Fusion Research (Internet), 13(Sp.1), p.2505013_1 - 2505013_8, 2018/03

大強度陽子加速器施設(J-PARC)のパルス核破砕中性子源は、以下に示す独自の特長を有するモデレータを用いて高強度かつ幅の狭いパルス状の冷中性子を供給している。独自の特長とは、(1)100%比率のパラ水素を用いることでピークが高くテイル成分の低い中性子パルスをつくる、(2)直径14cm、高さ12cmの円筒形状とすることで、50.8$$^{circ}$$という広い取り出し角度範囲で高強度の中性子を利用できる、(3)銀-インジウム-カドミウム合金製の中性子吸収材を使用し、幅が狭く、テイル成分の低い中性子パルスをつくる、というものである。実際、低出力運転時の測定によって、1MWの運転時には、結合型モデレータで4.5$$times$$10$$^{12}$$n/cm$$^{2}$$/s/srの中性子束が得られ、ポイズン型モデレータを使用する中性子実験装置(BL08)では$$Delta$$d/d 0.035%の優れた分解能が得られることを確認した。ここで、dは結晶試料内のある方向の格子面と中性子の入射方向とのなす角度に垂直な方向の面間隔を意味する。1MWで年間5000時間の運転を行うという目標の達成に向けて、現在、微少気泡を水銀ターゲットに注入し、ターゲット容器に生じるキャビテーション損傷を抑制する技術開発やターゲット容器構造を溶接部やボルト接続をできるだけ減らす設計改良を行っている。

論文

Materials and Life Science Experimental Facility at the Japan Proton Accelerator Research Complex, 1; Pulsed spallation neutron source

高田 弘; 羽賀 勝洋; 勅使河原 誠; 麻生 智一; 明午 伸一郎; 粉川 広行; 直江 崇; 涌井 隆; 大井 元貴; 原田 正英; et al.

Quantum Beam Science (Internet), 1(2), p.8_1 - 8_26, 2017/09

大強度陽子加速器施設(J-PARC)の物質・生命科学実験施設では、パルス核破砕中性子源から高強度かつ狭いバルス幅の中性子を供給し、多様な中性子科学研究の推進に役立てている。この核破砕中性子源の構成機器は、エネルギー3GeV、繰り返し25Hz、強度1MWという世界最高クラスの強度の陽子ビームで駆動されルことを前提に設計されており、水銀ターゲットと3種類の液体パラ水素モデレータがその中枢の機器である。目標とする1MWの陽子ビームによる運転に向けて、まだ途上段階にあるが、本報告では、この核破砕中性子源のターゲット・モデレータ・反射体システムの特色ある性能について解説する。

論文

Study on optimisation of target head design for the TEF-T LBE spallation target

Wan, T.; 大林 寛生; 佐々 敏信

NEA/CSNI/R(2017)2 (Internet), p.117 - 127, 2017/06

JAEA has proposed an Accelerator Driven System (ADS) for nuclear transmutation. To realize the future ADS, the ADS Target Test Facility (TEF-T) will be constructed under the framework of J-PARC. In TEF-T, pulsed proton beams will bombard a Lead-bismuth eutectic (LBE) spallation target to produce neutrons. To design the target, the verification of target structural integrity is the primary task. For this purpose, firstly, cavitation damage caused by the negative pressure in LBE is an essential issue needs to be considered. In the present study, the possibility of cavitation damage occurrence caused by pressure waves and turbulent LBE flow was investigated for the TEF-T LBE target through the numerical simulations. Results show that the maximum expansion ratio of cavitation bubble is only 1.2 due to the pressure waves, so that severe cavitation damage will not occur due to the pressure waves; the maximum negative pressure due to the turbulent LBE flow is only -4.5 kPa on a steady-state flow condition, which is too small to drive the growth of bubbles, so neither cavitation damage will occur due to the turbulent LBE flow. Secondly, the LBE flow behavior needs to be investigated because it determines the temperature distribution on the LBE target vessel, which affects the integrity of the target vessel. The CFD analyses have been carried out to study LBE flow pattern. However, some stagnant regions exist in the LBE for the original target design. To solve this problem, the target head was modified to reduce the stagnant region effectively and efficiently. The CFD analyses results showed that the stagnant region has been effectively reduced due to the modification of target head. As a result, thermal-hydraulic and structural analyses results showed that the maximum temperature on the LBE vessel is decreased by 35 degree centigrade, and the maximum thermal stress on the BW has been decreased by approximately 31 MPa. The safety margin of target has been improved.

論文

Progress of target system operation at the pulsed spallation neutron source in J-PARC

高田 弘; 直江 崇; 甲斐 哲也; 粉川 広行; 羽賀 勝洋

Proceedings of 12th International Topical Meeting on Nuclear Applications of Accelerators (AccApp '15), p.297 - 304, 2016/00

J-PARCでは、パルス核破砕中性子源の水銀ターゲットを1MWの設計ビーム強度で運転するために継続的に様々な努力を行ってきた。1つの技術的な進歩は、3GeVの陽子ビームが25Hzの繰り返しで入射される際にターゲット容器の尖頭部に誘起されるキャビテーション損傷の低減である。水銀ターゲットへの微小気泡注入の性能を向上させた結果、300kWの陽子ビームで2050MWhの運転を行った後で、ターゲット容器の内側表面に顕著なキャビテーション損傷がないことを観測した。これとは別に、ターゲット容器を交換する際に放出される気体状の放射性物質、特にトリチウムの量を抑制においても進展があった。ターゲット容器交換の際、ターゲットシステムが開放されるときに、その内部の空気を気体廃棄物処理設備に引き込む手順を加えることによって、スタックからのトリチウム放出を抑制した。例えば、2050MWhの運転後の場合、放出されたトリチウム量は12.5GBqであり、これば予測値の5.4%に留まった。このような進展に基づき、2015年4月から核破砕中性子源の運転ビーム強度は500kWに増強された。

論文

Study on surface tension modeling for mechanistic evaluation of vortex cavitation

伊藤 啓; 江連 俊樹; 大島 宏之; 河村 拓己*; 中峯 由彰*

Proceedings of 9th Korea-Japan Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-9) (CD-ROM), 6 Pages, 2014/11

ナトリウム冷却高速炉における液中渦キャビテーション研究の一環として、半径方向圧力分布と蒸気圧、気液界面における圧力ジャンプ条件に基づいてキャビティ半径を計算する表面張力モデルの開発を行い、液中渦キャビテーション評価手法を改良した。基本検証として基礎実験を対象とした評価を行い、流速の増加によって渦中心圧力が低下してキャビティ半径が大きくなるという現象が定性的に再現できることを確認した。また、液中渦キャビテーション挙動に大きな影響を与える粘性について評価を行った。

論文

固/液界面衝突解析モデルによるピッティング損傷評価

直江 崇; 二川 正敏; 大井 俊志; 石倉 修一*; 池田 裕二郎

材料, 54(11), p.1184 - 1190, 2005/11

高出力の核破砕中性子源の開発が世界的に行われている。大強度陽子加速器施設(J-PARC)の物質生命科学実験施設では、核破砕水銀ターゲットからの発生する中性子を用いて、物質生命科学の先駆的研究が展開される。陽子ビームが水銀ターゲットへ入射することにより、水銀中では熱膨張による圧力波が生じる。この圧力波の伝ぱ過程で発生する水銀中のキャビテーションは、ターゲット容器内壁に局所的な衝撃壊食損傷を形成する。この衝撃壊食は、構造健全性を低下させるため、ターゲット容器交換寿命を決定する重要な因子となる。局所的な衝撃壊食損傷を再現するために、電磁式衝撃圧負荷試験装置(MIMTM)を開発し、壊食損傷形成を評価した。さらに、独立した壊食痕形状と、キャビテーション気泡崩壊時に生じるマイクロジェットの衝突速度との相関を評価するために、液滴衝突解析を適用した。その結果、壊食痕の半径/深さで規格化した値を用いることにより、マイクロジェット衝突速度が同定可能であり、陽子ビーム入射時の損傷を再現する実験における衝突速度は、225$$sim$$325m/sであることを示した。また、塑性変形による壊食痕形成抑制の観点から、表面硬化処理が有用であることを示し、その有効厚さについても評価した。

論文

Micro-impact damage caused by mercury bubble collapse

二川 正敏; 直江 崇*; 粉川 広行; 伊達 秀文*; 池田 裕二郎

JSME International Journal, Series A, 48(4), p.234 - 239, 2005/10

J-PARCに設置される核破砕パルス中性源には、ターゲット材として液体水銀を使用する。大強度陽子線入射時には、熱衝撃に伴う圧力波が水銀中に発生する。この圧力波の伝播過程で水銀中でキャビテーション気泡が生成し、気泡崩壊に伴う局所衝撃がターゲット容器の水銀接液界面に負荷する。本報では、液体水銀衝撃パルス負荷実験により形成したキャビテーション衝撃壊食痕、すなわちマイクロピット形状から局所衝撃力を評価した。さらに、気泡崩壊時に発生するマイクロジェット衝撃力を液球体による固/液界面の衝撃問題として数値解析を行い、実験結果と比較した。その結果、ピット半径と深さの比に着目すれば、マイクロジェット衝撃速度を推定できることがわかった。さらに、MW-classの水銀ターゲットでは気泡崩壊時に300m/s程度の衝撃負荷が発生することが推定された。

論文

気泡崩壊誘起音響振動を用いた壊食損傷評価

直江 崇*; 二川 正敏; 小山 智史*; 粉川 広行; 池田 裕二郎

実験力学, 5(3), p.280 - 285, 2005/09

現在、開発が進められているJ-PARCの物質生命科学研究施設では、核破砕中性子源水銀ターゲットから生成される中性子を利用した最先端の研究が行われる。大強度の陽子線入射に伴う熱衝撃により、水銀を充填するターゲット容器と水銀との界面では、急激な圧力変動によりキャビテーションが発生する。このキャビテーションによりターゲット容器内壁は壊食損傷を受ける。この壊食損傷は、薄肉構造であるターゲット容器の交換寿命を決定する因子となる。これまでに、電磁式衝撃圧負荷試験装置を用いて陽子線入射時の圧力変動を想定したキャビテーション壊食試験を行い、水銀中での衝撃壊食挙動を評価した。ここでは、キャビテーションにより生じる微小気泡の崩壊に起因する音響振動を計測し、損傷形態と比較した。その結果、音響振動から損傷の程度を評価するのに有用な情報が得られることを確認し、音響振動によりターゲット容器の健全性を診断できる可能性を示した。

論文

Estimation of pitting damage induced by cavitation impacts

祖山 均*; 二川 正敏; 本間 加奈*

Journal of Nuclear Materials, 343(1-3), p.116 - 122, 2005/08

 被引用回数:10 パーセンタイル:56.74(Materials Science, Multidisciplinary)

キャビテーション衝撃により水銀ターゲット容器が受けるピッティング損傷の評価手法を提案した。ピッティング損傷の潜伏期間を評価することは、容器壁厚さが薄いことから重要である。本報では、そのための二つの評価法を提案している。一つは、壊食試験から得た質量減少の対数表示結果から見積もる方法、他方は、潜伏期の塑性変形領域の観察結果から見積もる方法である。

論文

Improved cavitation resistance of structural materials in pulsed liquid metal targets by surface hardening

Koppitz, T.*; Jung, P.*; M$"u$ller, G.*; Weisenburger, A.*; 二川 正敏; 池田 裕二郎

Journal of Nuclear Materials, 343(1-3), p.92 - 100, 2005/08

 被引用回数:7 パーセンタイル:44.9(Materials Science, Multidisciplinary)

圧力波による構造材料のキャビテーション損傷は、高出力パルス中性子源における寿命を決定する因子の一つである。損傷を低減する方法として2つの方法を提案している。一つは、ガスバブル注入法であり、他方は材料の表面硬化法である。8$$sim$$13%Crのマルテンサイト鋼の表面硬化が電子線及びレーザー加熱処理、さらにプラズマ窒化により行われ、処理条件の影響について調べられた。熱処理では600Hv硬度、一方窒化では1200Hvが得られた。12%Cr鋼がパルス陽子入射あるいは機械的パルス入射条件下における水銀環境下で試験された。表面損傷が光学顕微鏡,レーザー顕微鏡,電子顕微鏡で観察され、硬化処理による損傷低減化が確認できた。

論文

Damage diagnostic of localized impact erosion by measuring acoustic vibration

二川 正敏; 直江 崇*; 粉川 広行; 池田 裕二郎

Journal of Nuclear Science and Technology, 41(11), p.1059 - 1064, 2004/11

 被引用回数:12 パーセンタイル:61.53(Nuclear Science & Technology)

高出力核破砕中性子源の開発が世界で行われている。我が国では、革新的な科学研究の推進を目的としたJ-PARCの物質生命科学研究施設に、核破砕中性子源として水銀ターゲットが設置される。水銀を内包するターゲット容器はパルス陽子線入射時に衝撃的圧力変動を受ける。この圧力変動により生じるキャビテーションは、局所衝撃壊食をターゲット容器に付加する。この衝撃壊食は、ターゲット容器の寿命を支配する因子となる。これまでに、陽子線入射励起圧力波を再現できる電磁力衝撃圧負荷試験機を開発し、衝撃壊食の成長挙動を評価した。ここでは、局所衝撃エネルギに関連する音響振動を計測し、損傷形態と比較した。その結果、音響振動は、損傷の程度を推測する有効な情報を与えうることが明らかになり、音響振動によりターゲット容器構造健全性を診断できる可能性を示した。

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